「紫風日記」

書道アーティスト 紫風晄禎 Shifuu Akisada のブログです。

悪魔の手毬唄…な朝。

紫風日記📔卯月二日

 

まだ夜が明けたばかりの薄明かりの中を仕事に向かっていた。


すると前から一人のお婆さんが歩いてくる。


下半身は垂直、上半身は水平といった感じで腰がほぼ直角に曲がっており、頭には白い手拭を被っている。

 

あれ?このシチュエーション、どっかで見たような…。

 


…よし、わかった!

悪魔の手毬唄」のワンシーンだ!

 

それは石坂浩二さん演じる金田一耕助が、岡山県鬼首村から総社の町へと向かう途中の仙人峠で謎の老婆とすれ違う場面。

 

その老婆は腰が曲がり、頭から手拭を被って顔がよく見えなかったが、金田一に向かって「おはんでござりやす、お庄屋さんの所へ帰ってまいりました、なにぶん可愛がってやってつかぁさい…。」と弱々しい声で言い残し、杖をついて消えていく。

 

総社の町に着いた金田一は、聴き込みに向かった宿の女将から、おはんという女性は昨年の秋に亡くなっていることを聞かされ、「それじゃ、仙人峠ですれ違った、あの老婆は一体誰なんだ!?」と戦慄する…という、何とも気味の悪いシーンである。

 

 

さすがに峠ではないものの、ほぼほぼ同じシチュエーションの中にいた私は、おはんさん…じゃなかった、私の目の前にいるお婆さんに向かって「おはようございます…。」と声をかけてみることにした。

 

すると私の想像を遥かに超えた明るい声で、「おはようございます!」と挨拶が返ってきた。

 

もしこれで「おはんでござりやす…」とか言われたら、すぐに着物と袴、外套に下駄、古びた帽子姿に着替えなあかんとこやったけど(あかんことないけど。)、ホッと安堵して駅へ向かった。

 

 

それから駅に着いて改札口を通り、ホームで列車を待っていると、ステンレス製の近代的な車両が滑り込んできた。

 

「何でやねん、ここは蒸気機関車が入ってくるとこやろ!」…と、心の中で無茶な注文をしている自分に気付いて、心の中で苦笑い。

 

 

映画を観ていない方に、ネタバレしない程度にこのシーンについて説明すると、事件を解決して総社の駅から列車で旅立つ金田一耕助は、見送りに来た磯川警部に「あなたはリカさんを愛してらっしゃったんですね。」と動き始めた汽車から問いかけるも、その声は汽笛に消されてしまう。

 

列車は金田一を乗せて走り去り、何も答えずに煙草を吸いながら汽車を見送る磯川警部が立つプラットホームの駅名板には、平仮名で「そうじゃ」と書かれていた…。

 

 

や、やっぱりええなぁ…🥺

このラストシーン、実に秀逸!🏆

 

 

そうなんです、そやから蒸気機関車でないと!ステンレスの近代的な電車ではあかんのです。

 

せっかく団地の敷地でおはんさんに会えたんやから(そもそも“おはんさん”とちゃうねんけど…)、この秀逸なラストシーンまで終えてから仕事に行かんと!

 

 

と、まぁ、そんなこんなで眠気も一気に吹っ飛ぶ刺激的な朝なのでしたが、私の心にひっかかる懸念材料が一つだけ。

 

 

「今朝のお婆さん、ほんまに実在してるんやろな…??」

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書・絵:紫風晄禎

【使用筆記具・画材】

📓ターレンス製artcreation sketchbook

🖋️ぺんてる筆ペン 中字

🖋️ぺんてる筆ペン うす墨

快感…☆

紫風日記📔弥生二十七日

 

離れた場所から投げた紙くずがゴミ箱に見事入った時って、この世の中でもけっこうな達成感というか、気持ちがニコニコできる貴重な快感かも知れない。

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【使用筆記具・画材】
🖊️セーラー万年筆

 

「政治家」

紫風日記📔弥生二十六日

 

いつの世も、どこの国も、政治家は皆同じ。

…どういうことなのか?

 

それを画中の絵と文字から読み解く…カリグラフィーアートの醍醐味の一つです。

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「政治家」
書・カリグラフィー・イラスト:紫風晄禎

【使用筆記具・画材】

🖊️呉竹ZIG Calligraphy

🖊️ターナーアクリルガッシュ

「冬将軍」

紫風日記📔弥生二十一日

 

三月も下旬に差し掛かったというのに、
真冬のような寒さでなかなか春らしく
暖かくならない。

 

どうやら今年の冬将軍は、
粘着質で未練たらしい性格のようだな。

 

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文・イラスト:紫風晄禎
【使用筆記具・画材】
🖊️セーラー万年筆

敵も鎧も変わったものだ…。

紫風日記📔弥生二十日

 

まだ武士が居た時代は敵から自分の命を守る防具といえば兜や甲冑だった。

 

しかし現代は目に見えない菌が敵となり、防具はマスクやタイベックススーツになった。

 

敵も鎧も変わったものだ…。

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書・カリグラフィー・イラスト:紫風晄禎

【使用筆記具・画材】

🖊️ぺんてる筆ペン(中字)

🖊️ぺんてる「金の穂」

🖊️呉竹ZIG CLEAN COLOR Real Brush

「筆」

紫風日記📔弥生十九日

 

筆で「『筆』という字を書く筆」を書いてみた……舌噛みそうw

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人生初の「詰め放題」

紫風日記📔弥生十五日

 

五十路もそろそろ二丁目から三丁目にかかろうかというこの歳になって、「詰め放題」なるものを"初体験"した。

 

「詰め放題」とは言っても、一昔前のバーゲンセールよろしくアドレナリンをバチバチ放出しながら鬼気迫るオバさん方がソーセージだの、魚の切り身だのを袋に入るだけ詰め込むアレとは少々趣が違う。

 

私が袋に詰めてきたのはスケッチブックで有名なマルマン製のポケットサイズルーズリーフ。

 

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銀座伊東屋 青葉台東急スクエア店にて


よって舞台はスーパーの食品売り場ではなく大手文具店の店内で、時間的なこともあったのだろうけれど、昔のゾンビ映画みたいなオバさん方に揉みくちゃにされる恐怖はなく、時折通りかかる他の客に不思議そうに見られながら、地味に一人で10種類ほどあるルーズリーフの中からじっくり選んで詰めることができた。

 

沢山詰めた方がお得なのはわかっちゃいるけど、あまりにもパンパンに詰めると店員に「ここまで詰めるかね?!」と卑しく思われるのも何だし…と、自分の欲望と理性のせめぎ合いの中、ほどほどに詰め込んでレジに向かった。

 

あぁ、こういう時はオバさん方の強心臓と厚顔が羨ましい…。

 

でも、普通ならば一種類が200円から400円するものを、真に自分が欲しい分量だけ選ぶことができて440円なのだから実にお得である。

 

1パック100枚も要らない時に仕方なくパック単位で買う必要が無いのだから、フードロスならぬペーパーロス防止に効果的なイベントだと思った。

 

レジで精算後、初めてのおつかいを終えた幼児の如く半ば興奮気味に、でも表情は妙に硬いままという実にアンバランスな状態で「人生初の詰め放題イベント」を完遂し、お店を後にしたのであった。

 

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戦利品のミニサイズルーズリーフ
左上は専用バインダー(黒)

 

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🖊️初体験記念に帰りに寄った寿司屋の客を描いてみた (書・イラスト:紫風晄禎)

 


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